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看護現場で必須のSBAR(エスバー)とは?報告を「行動」に変える4要素を実践例文を用いて徹底解説!

2026.03.02

医療現場において、情報の伝達ミスは患者さんへの不利益や重大な医療事故に直結する可能性があります。そこで、医療安全やチーム医療の観点から注目されているのが、SBAR(エスバー)という標準化されたコミュニケーション手法です。

詳細かつ簡潔に伝えないといけない医療現場において、報告時に戸惑いや焦りを感じた経験がある人もいるのではないでしょうか?何が足りないのか分からないまま報告する不安は、多くの医療者が抱える悩みです。

本記事では、SBAR(エスバー)を構成する要素やホウレンソウとの違い、効果的なアセスメントの考え方を分かりやすく解説します。

SBAR(エスバー)とは?

SBAR(エスバー)とは、医療現場において迅速かつ正確な情報共有を目的に開発されたコミュニケーション手法です。Situation(状況)Background(背景)Assessment(評価)Recommendation(提案)の頭文字から成り、緊急時などに患者の状況を簡潔に報告する際に活用されます。

SBAR(エスバー)は、医療安全対策として成果を上げてきたTeamSTEPPSのプログラムの一つとして開発されました。多忙な医師への電話連絡、急変時の対応、シフト交代時の引き継ぎなど、さまざまな場面で「情報の標準化」を可能にし、判断の遅れや伝達ミスによる不利益を防ぎます。

SBAR(エスバー)を構成する4つの要素とは?

SBAR(エスバー)は、以下の4つの要素で構成されています。
Situation(状況)
Background(背景)
Assessment(評価)
Recommendation(提案)
ここからは、実際に容態が悪化した患者さんの報告時に、どのようにSBARを活用するかについてご紹介していきます。

項目内容
S:Situation(状況)〇号室〇〇さん、血圧が90/60mmHgへ低下
B:Background(背景)肺炎で入院5日目、高血圧で降圧薬を内服中、アレルギーなし
A:Assessment(評価)脱水や感染悪化の可能性
R:Recommendation(提案)診察依頼、輸液や採血を提案

Situation(状況)

Situation(状況)では、今、何が起きているのかを端的に伝える必要があります。

Situation(状況)を伝える際の例文とポイント

例文
「〇号室の〇〇さんについてのご報告です。現在、血圧が90/60mmHgまで低下しています。」

ポイント
患者の名前や場所、現在の状態、異常や急変の有無、重大性を端的に伝えることで、聞き手は瞬時に優先度を判断できます。

Background(背景)

Background(背景)は、現在の問題に関連する背景情報を伝える項目です。
入院診断名、治療内容、アレルギー、直近の処置や経緯など、必要な情報に絞って提供することが重要です。

Background(背景)を伝える際の例文とポイント

例文
「〇〇さんは肺炎で入院中、本日で入院5日目です。基礎疾患に高血圧があり、降圧薬を内服しています。アレルギーはありません。」

ポイント
Background(背景)の報告は、情報を盛り込みすぎると長くなり、聞き手を混乱させてしまうことがあります。
「今の問題と直接関係するか」を基準に情報を取捨選択し、不要な経過説明は省きましょう。

Assessment(評価)

Assessmentは、SBAR(エスバー)の中でも特に重要な要素です。バイタルサインや観察結果から、報告者自身がどう評価・判断しているのかを伝えます。

Assessment(評価)を伝える際の例文とポイント

例文
「朝から食欲低下があり、バイタルサインを観察したところ、血圧低下と軽度の意識レベル低下がみられます。脱水または感染悪化の可能性があると考えています。」

ポイント
Assessmentでは、「自信がない」「間違えたら不安」と感じて評価を省いてしまいがちです。
しかし重要なのは正解を述べることではなく、観察事実をもとに自分がどう考えたかを伝えることです。

そこで、伝える際に以下の3点を意識してみると良いでしょう。
・バイタルや症状の「変化」に着目する
考えられる可能性を一つでも言語化する
・断定せず「~の可能性がある」と表現する
現場で感じた違和感や評価を共有することが、チーム医療を支え、迅速で安全な判断につながります。
完璧さよりも、専門職としての視点を言葉にすることが大切です。

Recommendation(提案)

Recommendation(提案)では、今後必要だと考える対応や、相手に求める行動を具体的に伝えます。

Recommendation(提案)を伝える際の例文とポイント

例文
「至急ご確認いただきたいです。必要であれば、輸液開始や採血の指示をお願いできますでしょうか。」

ポイント
診察依頼、検査や処置の提案、指示の確認など、「次に何をすべきか」を明確にすることが目的です。
単に報告で終わらせるのではなく、行動や判断につなげる構成である点こそが、SBAR(エスバー)の本質と言えるでしょう。

SBAR(エスバー)とホウレンソウ(報告・連絡・相談)の違いは?

よくある疑問として「SBAR(エスバー)とホウレンソウは何が違う?」「使い分けはどうしたらいいの?」などが挙げられます。
ホウレンソウは、日常業務の遂行や一般的な情報共有に適しており、幅広い場面で利用できます。
一方、SBAR(エスバー)は、構造化された枠組みに基づくため、緊急時や素早い判断を要する場面で有効であると言われています。
医療現場では、場面に応じて両者を使い分けることが重要です。

SBAR(エスバー)活用のカギはAssessment(評価)にある

SBAR(エスバー)を真に機能させるためには、Assessment(評価)が欠かせません評価が不十分なままでは、情報は伝わっても適切な判断に結びつかず、リスクが高まります。活用のポイントを2つの項目に分けて説明していきます。

・なぜAssessment(評価)が重要なのか
・Assessment(評価)に苦手意識がある場合の対策

なぜAssessment(評価)が重要?

SBAR(エスバー)の中でもAssessment(評価)が特に重要なのは、患者に最も近く関わっている看護師や医療者の判断が、医師の迅速で的確な行動を支える重要な情報になるからです。
「医師に意見を言うのはおこがましい」「間違っていたらどうしよう」こうした不安から、AやRを省略してしまうケースは少なくありませんが、評価を伝えることは、責任ではなく医療安全への貢献と言えます。以下の対策ポイントを意識し、日常業務の中で少しずつ練習を重ねていきましょう。

Assessment(評価)に苦手意識がある場合の対策ポイント

Assessment克服のポイントは、日常業務の中で「考える癖」をつけることです。バイタル測定や観察、処置の際に、「この変化は何を意味するのか」「今後どんな可能性があるのか」を意識する習慣が大切です。申し送りやシフト交代時の報告、カルテ記載(SOAP形式など)でアセスメントを言語化し、他者に共有することも良いトレーニングになるでしょう。また、チーム内で意見を出し合うことで、評価の精度はさらに高まります。

まとめ

SBAR(エスバー)は、医療現場における情報伝達を標準化し、判断の遅れや伝達ミスを防ぐためのコミュニケーション手法です。現場で患者に最も近く関わる医療者の評価や気づきを共有することが、迅速で的確な判断と医療安全につながります。日常業務や緊急時に応じて活用し、チーム医療の質向上に役立てていきましょう。

参考:

1)アステッキホールディングス株式会社(編).医療マネジメント認定士 公式テキスト.アステッキホールディングス株式会社.
2)ナース専科(編). SBAR(エスバー)|分かりやすい報告の仕方.2009. E8%A6%81%E6%80%A7
3)看護roo(編).うまく伝わる「報告」「連絡」.2024.

日々の業務の中で「もっと根拠をもって判断したい」「チーム全体を見渡せる視点がほしい」と感じたことはありませんか。

医療マネジメント認定士は、SBARのような実践的なコミュニケーションを含め、医療安全や現場改善に直結する知識を体系的に学べる資格です。医療マネジメント認定士の学びを通じて、より安全で質の高い医療につなげてみませんか?

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