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看護現場で意識したい非言語的コミュニケーションとは?役立つ6つの活用ポイントと場面別実践例をわかりやすく解説
2026.06.12
「言葉でしっかり説明したのに、なぜか患者さんに伝わっていない気がする…」
「後輩との距離がなかなか縮まらない…」
と悩んだ経験はありませんか?
その原因は、言葉以外の部分にあるかもしれません。表情・視線・声のトーン・姿勢など、言葉以外の表現は患者さんや同僚の安心感や信頼感に大きく影響します。本記事では、看護師として知っておきたい非言語コミュニケーションの種類から現場で使える実践例まで、わかりやすく解説します。
Contents
非言語的コミュニケーションとは?言語的コミュニケーションとの違い
非言語コミュニケーションとは、表情・視線・姿勢・声のトーン・身振りなど、言葉を使わずに情報や感情を伝える手段のことです。一方、言語的コミュニケーションとは、言葉や文字で情報を伝える手段を指します。
両者の違いは、意識的かどうかという点にあります。言葉は意識して選べますが、非言語な表現は無意識のうちに相手へ伝わることがほとんどです。例えば「大丈夫ですよ」と声をかけながら、早口だったり無表情だったりすると、言葉とは裏腹に患者さんに不安を与えてしまうことがあります。
看護師として安心感と信頼感を届けるためには、言葉と同じように非言語な表現にも意識を向けることが大切です。
看護師が知るべき非言語的コミュニケーションの6つの種類
看護師が知るべき非言語コミュニケーションの種類は、以下の6つです。
臨床場面で意識したいポイントも併せて紹介していきます。
・表情、笑顔
・視線、アイコンタクト
・姿勢、動作
・ 声のトーン、話し方
・距離感、タッチ(パーソナルスペース)
・身だしなみ
表情、笑顔
表情は非言語コミュニケーションの中で最も伝わりやすい要素です。笑顔は患者さんの緊張をほぐし安心感を生み出しますが、無表情や険しい表情は「何か悪いことがあるのかな」と不安を与えてしまいます。
マスクを着用していると表情は伝わりにくいため、意識的に笑顔を作るようにしましょう。
視線、アイコンタクト
視線は「あなたに関心を持っています」というメッセージを伝える重要な手段です。患者さんと話すときは適度にアイコンタクトを取ることで、信頼感や安心感を与えることができます。ただし、じっと見つめすぎると圧迫感につながるため、自然な目線を心がけましょう。アナムネや記録を取りながら話す際も、定期的に視線を患者さんに向ける意識が大切です。
姿勢、動作
話す時の姿勢や身振り手振りも、印象を大きく左右します。腕を組んだまま話を聞いたり、体を横に向けたまま会話をしたりすると、意図せず拒絶や無関心のメッセージとして伝わってしまうことがあります。
インフォームドコンセントの場面など、しっかり伝えたい時はジェスチャーや身振り手振りを交えると効果的です。患者さんや同僚の話を聞く時は自然なうなずきやOKサインを取り入れることで「ちゃんと聞いていますよ」という気持ちが伝わります。
声のトーン、話し方
声色・抑揚・スピードによって、同じ言葉でも伝わり方は大きく変わります。穏やかで落ち着いたトーンは不安や緊張を和らげ、早口や単調な話し方は冷たい印象を与えることがあります。また、会話の中で考える間や沈黙を意識することも大切です。焦らず待つ姿勢が、患者さんの内省を促し思わぬ本音を引き出すきっかけになります。
距離感、タッチ(パーソナルスペース)
近すぎると圧迫感、遠すぎると冷たい印象を与えるため、状況に応じた適度な距離感を意識しましょう。手を握る・背中にそっと触れるなどのタッチは、言葉では届かない安心感や共感を伝える有効な手段です。
特に認知症や意識障害のある患者さんに対しては、言語情報だけでは伝わりにくいため、ボディタッチで安心感を与えながらのコミュニケーションが有効です。
身だしなみ
意外かもしれませんが、身だしなみも非言語コミュニケーションの要素に含まれます。看護師の身だしなみの原則は、患者さんや同僚に不快感を与えない清潔感のある身なりです。夜勤で疲れていてボサボサ髪の看護師を見たら「この看護師さんには頼みにくいな」と遠慮や我慢してしまう患者さんもいるかもしれません。疲れていたり忙しい時こそ、自分の身だしなみにも目を向ける意識を持ちましょう。
看護現場で非言語的コミュニケーションが重要な理由
看護現場において非言語コミュニケーションが重要とされる理由は、主に以下の3つです。
・信頼関係の構築
・隠れた情報の収集
・安心感の提供
信頼関係の構築
処置やケアの説明を丁寧に行うことも大切ですが、患者さんが「この看護師さんは信頼できる」と感じる瞬間は、ふとした表情や声のトーン、目線の合わせ方にあることが少なくありません。非言語な表現は無意識に出るからこそ、患者さんはそこに本音を感じ取ります。また、医療者同士でもうなずきや目線で共感的な態度を示すことで心理的安全性が高まり、チーム全体の雰囲気づくりにもつながります。
隠れた情報の収集
隠れた情報の収集とは、患者さんが言葉にできていない思いや状態を、非言語なサインから読み取ることです。「大丈夫です」と答えながらも表情がこわばっている、声のトーンがいつもと違うなど、小さなサインを見逃さないことが適切なケアへの第一歩です。
患者さんの様子が「いつもと違う」と感じたら、目線の高さを合わせ、タッチングを活用するなど非言語コミュニケーションを意識しながら、ゆっくりと声かけしてみましょう。
安心感の提供
慣れない入院環境で不安や緊張と向き合う患者さんにとって、看護師の穏やかな表情や落ち着いた声のトーン、手を握るタッチは大きな支えになります。
「大丈夫ですよ」と言葉で伝えるだけでなく、非言語なケアが伴ってこそ本当の安心感が提供できます。
【場面別】看護現場での非言語的コミュニケーションの具体例
非言語コミュニケーションは、相手や状況によって意識すべきポイントが変わります。
看護現場でよくある3つの場面を取り上げて具体的に見ていきましょう。
・対象別における対応(小児・高齢者)
・不安・緊張している患者さんへの対応
・部下への対応
対象別における対応(小児・高齢者)
ここでは、小児と高齢者に対する非言語コミュニケーションを活用した対応の具体例を示しています。
・小児
・高齢者
小児
事例
採血を怖がって泣いている3歳の男の子に対して、立ったまま上から「大丈夫だよ」と声をかけましたが、泣いたままです。しゃがんで目線を合わせ、キャラクターの人形を使いながら笑顔でゆっくりと話しかけると、男の子には笑顔がみられ採血を実施できました。
ポイント
・子どもの目線の高さに合わせたことで、威圧感がなくなり安心感が生まれた
・笑顔とゆっくりと話したことで、言葉以上に「怖くないよ」というメッセージを伝わった
高齢者
事例
認知症のある高齢女性が夜間に「家に帰りたい」と繰り返し訴えていました。言葉で説明しても状況は変わりません。看護師がそばに座り、手をそっと握りながら穏やかな表情で「大丈夫ですよ、一緒にいますね」と声をかけると、女性の表情が次第にやわらぎ、落ち着いて横になることができました。
ポイント
・言葉による説明よりも、手を握るタッチや穏やかな表情が安心感につながった
・目線を合わせてそばに寄り添う姿勢が、言葉にならない不安をやわらげた
不安・緊張している患者さんへの対応
事例
手術前夜、不安そうな表情の患者さんに新人看護師が輸液交換をしながら「大丈夫ですか?」と声をかけると「大丈夫です…」と返答がありました。表情や声のトーンが気になり、背中をゆっくり擦りながら「手術、心配ですよね」と声をかけると「緊張して眠れそうもなくて…」と本音が出てきました。不眠時指示を確認し眠剤を与薬。翌朝、患者さんは「おかげさまでよく眠れました」と安心した様子でした。
ポイント
「大丈夫です」という言葉を鵜呑みにせず、表情や声のトーンの変化を察知し、背中を擦るタッチで安心感を伝えたことで本音を引き出せた不安や緊張している患者さんへの対応は、非言語なサインを見逃さない観察力と、寄り添う姿勢が大切です。
部下への対応
事例
新人看護師が「少しよいですか?」と声をかけると、先輩看護師はPC画面を見たまま「どうしたの?」と返答。新人看護師は「あとでいいです…」と引き下がり、悩みを一人で抱え込んでしまいました。後日、別の先輩看護師に声をかけた際は手を止めて体を向け、うなずきながら話を聞いてくれました。新人看護師は素直に悩みを打ち明けることができました。
ポイント
・手を止めて体を向けるだけで「あなたの話を聞く準備ができています」というメッセージになった
部下と話す際は、言葉だけなく、うなずきやアイコンタクトなど共感的態度の積み重ねで相談しやすい雰囲気をつくることがポイントです。
まとめ
非言語コミュニケーションは、患者さんや同僚との信頼関係を築き、言葉にならないサインを察知し、安心感を届けるための大切なスキルです。特別な技術は必要ありません。表情・視線・姿勢・声のトーンを少し意識するだけで、目の前の患者さんへのケアは確実に変わります。まずは、少しずつ意識するところから始めてみませんか?
参考:
1)アステッキホールディングス株式会社(編).医療マネジメント認定士 公式テキスト.アステッキホールディングス株式会社.
2)中島俊(編).こころが動く医療コミュニケーション読本.医学書院
3)ウイナレッジ(編). 看護師や介護福祉士が身につけるべき非言語コミュニケーションとは?重要性や例を解説.2023.
4)株式会社grits(編). 非言語コミュニケーションとは?看護現場で信頼関係を築く具体例と効果的スキル.2025.
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