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「最近、元気がない?」と思ったら。スタッフとの面談に活かす、臨床心理士に学ぶ“魔法の第一声”を解説

2026.10.29

スタッフへの言いにくいフィードバックには、「客観的なデータ(事実)」を活用することが重要です。
しかし、いざ面談の席に座ったとき、いきなりデータを見せて本題に入るのは避けたいところです。

なぜなら、スタッフの「パフォーマンスの低下」の裏には、単なるモチベーション不足だけでなく、体調不良やメンタルの不調、プライベートの悩み(介護や育児、家庭内のトラブルなど)が隠れていることもあるからです。

主任やリーダーとしてスタッフと向き合うとき、どのような言葉から面談を始めればよいのでしょうか。

今回は、臨床心理士がカウンセリングの冒頭で行う声かけを参考に、心理学の技法を取り入れた「冒頭の声かけ」のステップをご紹介します。

明日から看護主任・リーダーが使える!面談冒頭の声かけ3STEP

STEP1:観察したことをアイ・メッセージとして伝える

スタッフは、なぜ面談に呼ばれたのか、特に定期的な面談でない場合は、何かよくない話をされるのではないかと考えることがあります。
そのため、最初になぜ面談の時間を設けたのか、その意図を伝えましょう。

その際に、いきなり「評価」の話をするのではなく、「観察した事実」を伝えることが大切です。主任やリーダーは、スタッフの様子に変化を感じ取ったとき、すぐに反応するのではなく、まずは「事実確認」として観察する時間をとる冷静さが必要です。

普段の業務中の様子を確認したり、ほかのメンバーから話を聞いたりすることで、自分が感じたことを客観的に捉えるようにします。
ここで注意したいのは、リーダーであっても、自分の見立てが正しいと思い込んでしまう「バイアス(思い込みや先入観)」が働くということです。

「〇〇さんは最近やる気がない」という自分の思い込みが、無意識のうちに判断に影響する可能性があることを、常に念頭に置いておきましょう。

【NGな声かけ】(決めつけ・評価)

×「最近、なんだかやる気がないよね? どうしたの?」
(※スタッフの心:「やる気がないわけじゃないのに……」と心を閉ざしてしまう)

【OKな声かけ】(観察した事実+アイ・メッセージ)

〇「最近、朝の挨拶のときに少し元気がないように見えたんだけど、体調はどう?」
〇「いつもより少し顔色が優れないように感じたから心配していたんだ。最近眠れている?」

ポイント:
「私はこう見えた(感じた)」「私は心配しています、気がかりです」というアイ・メッセージ(I-message)を使うことです。
自分が感じたことを主語にして伝えることで、相手を一方的に評価したり責めたりすることなく、純粋な「心配」として気持ちを伝えやすくなります。

STEP2:面談の目的を共有

アイ・メッセージ(I-message)を伝えたうえで、何のための面談なのか、その目的を共有します。

急に面談に呼ばれたスタッフは、「何かよくないことを言われるのではないか」と緊張しているかもしれません。
たとえ話し合う内容にネガティブな要素が含まれていたとしても、今日は何について話し、どうしたいのかを最初に明らかにすることが重要です。

【具体的なフレーズ】

〇「もし職場としてサポートできること(業務量の調整や休みの取得など)があれば、力になりたいと思っているから、面談の時間を取ったんだ。」
〇「もし仕事のことで相談に乗れることがあるなら、一緒に考えたいなと思ったんだ。」

ポイント:
「あなたを評価・指導するため」ではなく、「あなたをサポートするため」にこの場を設けたのだと、面談の目的を最初に伝えることです。主任やリーダーが、スタッフの味方として一緒に考える姿勢を示すことが大切です。

STEP3:沈黙の時間を待つ

スタッフが抱えている問題が仕事に関することであっても、プライベートなことであっても、本人にとっては、どう伝えればよいのか、そもそも話したいかどうかを考える時間が必要です。

すぐには言葉にならない場合もあります。言葉が詰まっても、1分程度は待ってみましょう。
ぜひ一度、家族や友人との会話で、相手の返事を1分間待つという体験をしてみてください。

待つ側にとっては、1分という時間はとても長く感じられるかもしれません。しかし、考えている本人にとっては、頭をフル回転させている時間であり、決して長いとは限りません。
相手が「うーん、うーん」と考えているようであれば、「いいよ、まとまってからで」と声をかけて待ちましょう。

こんなとき、手元に飲み物や資料、ノートなどがあれば、「待っている感じ」を和らげることができます。面談では、人と人との間に「モノ」があることも、実は重要なのです。

相手の顔をじっと見つめて待つのではなく、相手の手元や近くにあるものなどに、自然に視線を向けておきましょう。こちらの緊張感は、相手にも伝わります。
もちろん、待っている間にスマートフォンを眺めるのはNGです。注意しましょう。

ただし、なかなか言葉が出てこない場面が続くのであれば、その面談のタイミングや環境が、本人に合っていない可能性もあります。
例えば、すぐに対応しなければならない業務がある、問題の当事者が近くにいる、面談している様子が外から見えてしまう、といった状況では、心理的に話しにくいでしょう。

そんなときは、

「このままお話を続けていいですか?」
「日を改めて、ゆっくり考える時間を持ちましょうか?」


と声をかけ、時間に余裕を持たせることも大切です。

まとめ

「やる気がない」と見えるスタッフの行動の裏には、本人からの「SOS」が隠れているかもしれません。
主任やリーダーとしてスタッフを支えるためには、最初から評価や指導をするのではなく、まずは相手の様子を観察し、話を受け止める姿勢が大切です。

まずは面談冒頭の3分間。
臨床心理士のように「相手を観察し、受容する」声かけから始めてみませんか?

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