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看護リフレクションとは?目的・使えるフレームワーク・メリットを現場目線でわかりやすく解説

2026.07.07

「リフレクションをやってみて」と言われたけれど、何をどう振り返ればいいのかわからない、そもそも忙しくて振り返る時間もとれない——そう感じている看護師の方も多いのではないでしょうか。

看護リフレクションとは、日々の看護実践を振り返り、体験に潜む意味や気づきを次のケアに生かしていくプロセスのことです。
本記事(概論編)では、リフレクションの基本的な定義から2つのタイプ、目的・メリットまでわかりやすく解説します。

看護リフレクションとは?

看護リフレクションとは、患者さんとの場面や会話を通じて自分の心のありようを見つめ直し、気づきを得るプロセスのことです。看護リフレクション研究者の東めぐみ氏はこれを、「看護師が状況に沿った意図的な実践を行うために、自己の看護実践を振り返り、実践に潜む価値や意味を見出し、それを次の実践に生かすプロセス」と定義しています。新人看護師の成長支援から管理職のリーダーシップ育成まで、あらゆるステージで活用されており、注目を集めている手法です。

本章ではまず、反省やフィードバッグとの違いについてと、活用されるフレームワークについて説明していきます。

・反省との違い
・フィードバッグとの違い 
・リフレクションで活用されるフレームワーク

反省との違い

反省とリフレクションの違いとは、体験に対するアプローチの方向性にあります。反省は「なぜできなかったのか」と失敗に焦点を当て、自分を責める方向に向かいがちです。一方リフレクションは、「あの場面にはどんな意味があったのか」と問いを立て、感情や価値観も含めた体験全体を掘り下げていきます。自分を責めることが目的ではなく、未来志向で学びを引き出すことが反省との違いです。

フィードバッグとの違い 

フィードバックとリフレクションの違いは、視点が「外側」か「内側」かにあります。フィードバックは他者から外側に向けて評価や意見を返すものです。一方で、リフレクションは自分の行動・感情・判断を内側から振り返るプロセスです。ただし、リフレクションは一人で完結するものではなく、他者との対話やフィードバックがあることで深まります。両者は対立するものではなく、組み合わせることで互いの効果が高まる関係です。

リフレクションで活用されるフレームワーク

リフレクションで活用される代表的なフレームワークには、以下の3つがあります。

・YWT(やったこと・わかったこと・次にやること)
・KPT法 (Keep・Problem・Try)
・KDA法 (Keep・Discard・Add)

1つずつ解説していきます。

YWT(やったこと・わかったこと・次にやること)

YWTとは、「やったこと(Y)」「わかったこと(W)」「次にやること(T)」の3つの問いに答えるだけで振り返りが完結するシンプルなフレームワークです。短時間でも実施できるため、日々の業務後の振り返りの場にも取り入れやすいのが特徴。新人看護師がリフレクションの習慣を身につける入口としてもおすすめです。

KPT法 (Keep・Problem・Try)

KPT法とは、「続けていきたいこと(Keep)」「課題・改善が必要なこと(Problem)」「次に試してみること(Try)」の3つの視点で実践を振り返るフレームワークです。問題点だけでなく、うまくいったことを意識的に言語化する点が特徴です。チームでの振り返りや研修の場でも広く活用されています。

KDA法 (Keep・Discard・Add)

KDA法とは、「続けること(Keep)」「やめること(Discard)」「新たに取り入れること(Add)」の3つで実践を整理するフレームワークです。不要な習慣や思い込みを手放す「やめる」視点を持てることが、この手法最大の特徴です。現状の実践を見直し、より質の高いケアへとアップデートしていきたい中堅・ベテラン看護師に特におすすめです。

看護リフレクションの2つのタイプ

看護リフレクションには、大きく2つのタイプがあります。場面や目的に応じて使い分けることが大切です。

・行為の中のリフレクション
・行為のリフレクション

行為の中のリフレクション

行為の中のリフレクションとは、看護師が行為をしている最中にリアルタイムで行われる思考のプロセスのことです。
「なんとかうまく伝わった」「この反応は想定と違う」など、双方のリアクションから直感的に感じ取ることはできますが、動きながら考えているぶん、思考を深く掘り下げる余裕はありません。

行為のリフレクション

行為についてのリフレクションとは、実践から離れた場で過去の体験を振り返り、その意味や価値を道筋立てて捉え直すプロセスのことです。「あのとき自分はなぜそう判断したのか」を落ち着いた状態で整理することで、自己認識が深まり次の実践へとつながっていきます。看護教育や研修の場で活用されるのは、主にこのタイプです。

看護リフレクションを行う目的とメリットとは?

看護リフレクションを行う目的は、患者さんとの関わりや対話を振り返ることで気づきや学びを得て、次の看護実践の質を高めることです。単なる振り返りにとどまらず、継続的に取り組むことで個人の成長はもちろん、チームや組織全体にも良い変化をもたらします。主なメリットは以下の5つです。

・自立性と自己肯定感の向上
・看護の質が高まる
・チームのコミュニケーションが活性化する
・モチベーションアップにつながる
・リーダーシップスキルの育成に役立つ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自立性と自己肯定感の向上

リフレクションを続けることで、「なぜそうしたのか」を言語化する習慣が身につき、指示を待つのではなく自分で考えて動ける力が育まれます。新人看護師の成長を支えるうえで特に有効で、看護基礎教育・新人教育で積極的に取り入れられているのもこうした理由からです。

また、臨床現場では失敗や後悔が積み重なりやすく、放置するとじわじわと自信が削られていきます。リフレクションで体験を掘り下げることで自己肯定感が高まり、その効果はチームメンバーにも波及して、未来志向の文化の形成につながっていきます

看護の質が高まる

看護の質が高まるとは、リフレクションを通じて自分の実践を客観的に見つめ直すことで、より意図的で精度の高いケアができるようになることを指します。特に経験を積んだベテラン看護師にこそ重要です。豊富な経験知は現場の力になる一方、学びや関心を外に向けることをやめると「過信」に変わってしまいます。リフレクションはそのブレーキ役として、長年の経験知を現場に最大限生かし続けるための習慣になります。

チームのコミュニケーションが活性化する

チームのコミュニケーションが活性化するとは、普段の業務では見えにくかった互いの価値観や思いが共有されることで、チーム全体の相互理解が深まることです。リフレクションによって経験や役職の異なるメンバーが率直に語り合える場を持つことは、組織全体の学習文化を育てる土台になります。「あの場面でそんなことを感じていたんだ」という気づきの積み重ねが、チームの信頼関係を深めていきます。

モチベーションアップにつながる

看護師の燃え尽きや離職の背景には、忙しさだけでなく「自分の看護にやりがいや意味を感じられない」という感覚が関わってくるものです。毎日同じことを繰り返しているように感じ、成長の実感が薄れていくと、自然と気力も落ちていきます。リフレクションでつ一つのケアに意味を見出せるようになると、「こなすもの」だった業務の見え方が変わっていき、離職防止にもつながるでしょう。

リーダーシップスキルの育成に役立つ

リフレクションを積み重ねていくことで、看護におけるリーダーシップに必要なスキルが自然と育まれていきます。
例えば、「なぜその判断をしたのか」というリフレクションを繰り返すことで、判断力や問題解決能力は少しずつ鍛えられていきます。また、自分の感情や価値観と向き合う習慣は、他者の状況を読み取る力にもつながり、チームマネジメントの質を高めることになるでしょう。

まとめ

看護リフレクションは、自分を責めるための時間でも、指導を受ける場でもありません。体験に意味を見出し、次の看護へとつなげていく、前向きな学びのプロセスです。新人からベテランまで、どのステージにいる看護師にとっても、継続することで確かな手応えが生まれてきます。
概念を理解したら、次は実践あるのみです!具体的な進め方やポイントは、実践編で詳しく解説していますので、ぜひ続けて読んでみてくださいね。

参考:
1)アステッキホールディングス株式会社(編).医療マネジメント認定士 公式テキスト.アステッキホールディングス株式会社.
2)マイナビ看護師(編). リフレクションとは? 看護現場で注目される理由や実践方法を解説.2025.
3)レバウェル看護(編). 看護におけるリフレクションとは?メリットや看護研修での実践方法を紹介.2025.
4)ナース専科(編).看護におけるリフレクション.2020.
5)ランスタッド株式会社(編). リフレクションとは 人材育成に役立つフレームワークと実践例.

看護リフレクションをチームや組織に根づかせるには、体系的な知識とマネジメントスキルが欠かせません。

医療マネジメント認定士」は、現場のリーダーや管理職を目指す看護師に最適な資格です。
リフレクションを活かした人材育成や組織づくりに興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

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